技術情報

熱交換機とは

熱エネルギーは高温側から低温側に伝わります。
伝わる速度は、高い温度と低い温度の温度差に比例します。熱を伝え易い材料の両側に熱を輸送する流体を流し、同時等量の熱エネルギーを流体から効率良く伝える道具が熱交換器です。

技術情報1
熱交換器方式 特 長
チューブ式
蛇管式
伝熱量が比較的小さい熱交換器に適用される。
裸管を使用しているため構造はシンプルで加工は容易である。
一品加工の熱交換器として設計及び製造は容易である。
シェル&
チューブ式
シェル内部に多数本のチューブを配置する構造で受熱面積を広くした分、単一本のチューブ式より熱交換効率が高い。
蒸気から凝縮液に相変化する熱媒体にも適用できる。
採用事例が最も多く、設計技術は確立されている。
フィン・
チューブ式
熱容量が小さい気体側にフィンを付けて伝熱面積を拡張している。
専ら、気・液熱交換器に採用される。
気体側は一方向流なので、気体側の圧力損失は比較的少ない。
プレート式
大量生産された定形プレートを重ね組み合わせて所要の伝熱量を充足するため、小型化が実現できる。
耐圧性を高めるために厚い板で両面を挟み込む方式と両サイドをロウ付けする方法を採用している。
MiKuTAY式
大量生産に適した小径・薄肉の短管とディスクから成る熱交換素子を多数本、細密に組み合わせた構造により、小型・軽量でかつ耐圧、伝熱低圧力損失、並びに高い熱交換効率を実現している。
熱交換器の形状は自由に設計できる。

MiKuTAY熱交換器とは

MiKuTAY熱交換器の使用例(ラジエターの例)


MiKuTAY熱交換素子とコア

MiKuTAY熱交換器の特徴

★ 形状における優位性
 熱交換素子は同一の形状である
 熱交換素子は突起物となるフィンを持たない
 熱交換器は熱交換素子の組み合わせで構成する
 顧客が要求する形状に自由設計(デザインフリー)

★ 製造・経営上における優位性
  熱交換素子の量産は総ての顧客に共通使用するため在庫に成り難い
  後付けのフィンがないので量産工程は極めてシンプルである

★ 品質保証・維持管理性に関する優位性
  全自動機械による量産の結果、品質保証管理が極めて容易である
  素材に経時変化する要素(フィン)が無いので劣化要素が少ない

★ 伝熱性能に関する優位性
  エネルギー利用効率の革新的な改善で地球温暖化対策に役立つ
  熱回収効率が高い 圧力損失が低いことが熱交換器の小型・軽量化を
  実現、金属資源の枯渇化対策に寄与する

なぜ熱回収効率が高いのか

給湯温度は42℃です。
左図は指が給湯に僅かに触れた状態です。
右図は給湯の手のひらで受けた状態(衝突噴流)です。
どちらの方が給湯の暖かさを強く感じますか?

表面に張り付く性質が熱回収効率を高める

2個の風船の真ん中を目掛けて吹くと風船を移動します。
移動する方向はどちらでしょう「オレンジ」「黄」「青」?
速い流れがあると表面は低圧になり、速い流れは表面に付着します。
熱の流れの接近により効率よく表面に伝わります。

表面に張り付くとなぜ熱回収効率は高くなるのか

42℃の給湯がより表面に接近する方が
熱の伝わる速度が速くなり熱の伝わる効率が高くなります。
効率が最も高い伝熱は衝突噴流です。

なぜ空気抵抗が低いのか 空気抵抗が低いと良いことがあるのか

トンネルに入る新幹線車両とローカル線車両
トンネル内空気は入口で車両と衝突して「バーン」と音を立てます。
空気の抵抗を実感する瞬間です。
車両走行に伴いトンネル内の空気は押されて出口から排出されます。
短いトンネルと長いトンネルの衝突音ではどちらが大きいですか?

駅の混雑程度は上図と下図も同一です。
どちらが先に別の電車に赤は乗り換えられますか?
移動する際にどちらがエネルギー(圧力損失)を必要としますか?

回転させるとなぜ水は素早く抜けるのか

瓶を濯ぎ洗いするとき、瓶を回転させると素早く排水できます。
水の回転運動で瓶内面に張り付いた同じ向きの流れができます。
旋回により一方向流(層流)が瓶内に流れ抵抗を小さくします。